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「題名のない音楽会」が51年目にして「題名のある音楽会」に!?

テレビ朝日系「題名のない音楽会」が2015年10月4日(日)放送分よりリニューアルし、現在27歳の若き天才ヴァイオリニスト・五嶋龍が新たに司会を務めることが発表された。


「題名のない音楽会」では、7年半にわたって司会を務めた世界的マエストロ・佐渡裕が9月末をもって番組を卒業。彼から司会のバトンを受け継ぐ五嶋龍は、同じく世界的ヴァイオリニストである五嶋みどりの弟としても注目を集め、現在ではアメリカ・ニューヨークを拠点に、クラシック音楽に限らない幅広い活動を展開している。五嶋がデビューを飾ったのは7歳のときのこと。その記念すべき舞台で共演のオーケストラを指揮したのは、現司会者の佐渡裕であった。クラシック界のトップスター2人によるバトンリレーで、「題名のない音楽会」は新たな歴史を刻み始める。

リニューアル後の番組では、クラシック音楽の醍醐味に加え、五嶋の持ち味を活かせる異ジャンルとのコラボレーションも多数企画していく。また、新たな番組主題曲には、久石譲が手掛けるヴァイオリン協奏曲「Untitled Music」を起用。同曲は、番組スタート時からずっと観ていた「題名のない音楽会」のために書き下ろされたそうで、“いちばん新しい才能の五嶋龍氏の強力な個性”を念頭に置いた楽曲であるとのこと。

なお、番組のリニューアルに伴い、視聴者に「今日はどんな音楽会なのか」と冒頭で期待を膨らませてもらうため、「今日の『題名のない音楽会』は『○○○○音楽会』」と題名を打ち出していく。10月4日(日)放送の「バッハをめぐる音楽会」は、クラシック音楽の在り方と共に番組の方向性を提示する内容となり、黒柳徹子と久石譲がゲスト出演。そして、10月11日(日)放送「コンクール優勝者の音楽会」では、世界的コンクールで日本人として初めて優勝したチェリストの宮田大、ピアニストの萩原麻未を招き、なかなか聞くことのできないコンクールの仕組みや、優勝に導いたエピソードなどを伺い、ゲストには黒柳徹子が出演する。

そしてこの度、テレビ朝日プロデューサー・鬼久保美帆さん、佐渡裕さん、五嶋龍さんからのコメントも到着している。

●鬼久保美帆さんコメント

 佐渡さんは司会をお願いした2008年当時から年間の半分を海外で活動されており、日本にいらっしゃる間も兵庫を拠点に多忙を極めていらっしゃいましたが、毎週放送の番組司会を7年半もの長きにわたり、よくお務め下さったと感謝しております。
 ベルリン・フィルのような世界最高峰のクラシック音楽から、一般視聴者の参加型企画まで、幅広く音楽の楽しみ方を番組でお伝え出来たのも、実力を兼ね備えながら、テレビっ子で気さくな佐渡さんのお人柄ゆえかと思います。
 そんな佐渡さんがさらに世界へ飛躍することは私たちにとっても喜びであり誇りでもあります。ますますのご活躍をお祈りしつつ、また番組に遊びに来て頂ければと思っております。
 五嶋さんはクラシック界でもひときわ目を引く存在だと思ってはいましたが、先日初回収録を終え、画面から溢れるみずみずしさ、1音1音表情豊かな音楽性、不慣れながらも一生懸命話す姿など、想像以上の存在感で目が釘付けになりました。企画打ち合わせも熱心でこだわりが強く、新たな「題名のない音楽会」誕生を実感します。
 毎回収録のたびにニューヨークからお越し頂くことになり大変なご負担かと思いますが、それを上回る情熱と若さで、幅広い世代に愛される内容を共に作っていけると期待しております。

●佐渡裕さんコメント

 7年半はそれなりに長い時間で、番組をご覧のみなさんから、指揮者の佐渡裕ではなく『題名のない音楽会』の司会者として声を掛けていただくことも多くなりました。卒業に当たってはやり切った感がありますし、すごく晴れ晴れと解放された気持ちになるかと思っていたのですが、スタッフの顔を見ると離れるのを惜しんいるようなところもあって、複雑な心境です。8月まで収録がありますので最後まで頑張って務めて、龍君にバトンタッチしたいと思います。
 龍君との出会いで覚えているのは、デビューコンサートで7歳の龍君が小っちゃいヴァイオリンでパガニーニの超絶技巧を弾くのを聴いて、世界中からオーディションで選ばれたオーケストラの学生メンバーが「ヴァイオリン辞めよう…」っていうような顔をしていたこと(笑)。“神童現る”とはこういうことなんだと思いました。今回の人選は僕がしたわけじゃないんですが、素晴らしい選択だと思いました。龍君はものすごく大きな才能と、楽しみな未来をまだまだ持っている存在。ヴァイオリンも素晴らしいし人間性も明るくて、すべてのものを兼ね備えた新しい司会者が現れたと思っています。
 この7年半で一番の思い出は、東日本大震災の後に、出光興産の100周年を祝う予定だったガラ・コンサートを急きょ復興支援に変更し、曲目を変え、余震が続く中サントリーホールでリハーサルを行い、終演後には出演者のみなさんが募金箱を持ってロビーに出て、東北への募金活動を始めたということがありました。僕らの仕事は命に直接かかわるものではないので、震災のときは本当に、なんてつまらない仕事をやっているのか…と思ったんです。そんな中で、自分たち音楽家が今後やらなければならいことを具体的に見ることができました。
 この番組は、まるでお菓子のように、小さい子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、楽しさを共有できるもの。家族がリビングで一台のテレビを囲んで、そこに音楽の話題があることはとっても素敵なことだと思います。また、クラシック音楽をベースにオーケストラによるライブ形式の番組を50年にわたって送り続けているのは、ヨーロッパですら考えられない大きな出来事です。先輩の仕事を継承しつつ新しいものを作ってきた中で、運命的に龍君ともつながることができた。今後も龍君にはどんどん挑戦を続けていってもらいたいです。


●五嶋龍さんコメント

 佐渡さん7年半お疲れ様です。デビューから20年を経て、こうして再び同じステージに立たせていただくことに、本当に縁を感じています。歴史ある『題名のない音楽会』の司会を佐渡大先輩から引き継ぐことは、すごいプレッシャー! ですが、佐渡さんからアドバイスをいただいて、また僕をサポートしてくれる番組スタッフとのチームワークで、毎回フォーカスの強い番組を作っていきたいと思っています。
 今日、久しぶりに会った佐渡さんは、やっぱかっこいいな~と思いました。こんなカリスマのある方が司会をされてきたんですから、僕にはかなわない…と思いましたが、一方で「頑張るぞ!」という生意気な気持ちも出てきました(笑)。今になってやっと大先輩と言わせてもらえますが、デビュー前から指導してもらっていますし、僕の音楽性を養ってくれたのが佐渡さん。今、自分がここにいられるのは佐渡さんのおかげです。アーティストとして表現のベースを教えてくれた恩師だと思っています。
 初回収録は、佐渡さんの指揮でデビューしたコンサートと同じ感じで、緊張して周りが見えない状態(笑)。演奏と司会の同時進行は、精神的なアクロバットが必要だと感じました。でも、僕が緊張していると周りも固くなるというのが分かったので、もっとリラックスしてみようと考えています。まだ4回分しか終えていませんが、言葉によるコミュニケーションを勉強させてもらっています。音楽でコミュニケーションをするのは慣れていますが、それだけじゃなく、言葉で表現した後に弾くと演奏が変わるんですよ。相互的に効果がアップする感じ。僕は演奏をするときにあまり楽譜を見ないんですが、進行のカンペも楽譜と同じだと思って、自由に言葉にできるようになったらいいなと思います。
 『題名のない音楽会』は、半世紀にわたってどんどん進化を続けている番組だと思っています。僕も、先代の司会者、音楽家、プログラムに敬意を表しながら、歴史の重さを感じるだけでなく“ヒップ”なものにしていきたいと思っています。欲張って言うと、番組のターゲットは全員! 年齢層もそうですし、クラシックを知らない方から通の方まで、なにかを考えていただくことをミッションとしたいと思っています。僕自身の演奏活動は“伝統の進化”がテーマ。放送のテーマは毎回変わりますが、前週、今週、次週というつながりの中で大きなストーリーを作りたいと思っています。アーティストとしてはありがたいのは、毎回いろんな方とコラボレーションできること。こんなことは他にない! ここで芸術のネットワークを作っていけることは僕たち出演者にも、そして視聴者のみなさんにとってもラッキーなことだと思います。

  • minp!音楽ニュース(2015年08月08日)
  • 制作協力:okmusic UP's