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黒夢、クリスマス・イブを熱気で彩った横浜Bay Hall 2夜連続公演

2014年7月から全国各地で“最後のロングツアー”の思い出を刻む黒夢。その第2章にあたる「TOUR 2014-2015 BEFORE THE NEXT SLEEP VOL.2『毒と華』」の12月23日と24日の横浜Bay Hall 2夜連続公演を観た。

23日は快晴。開場時刻が迫る頃には海の冷たい風が吹いていたのだが、会場へ足を踏み入れれば、身体の芯まで熱くなることが観る者に約束されていた。いわゆる“クリスマス・イブ・イブ”のこの夜はサンタクロースの衣装に身を包んだファンも多く、開演前から華やかな空気が充満していた。
定刻を30分ほど過ぎた午後6時半頃、SE「ZERO」とともに場内は暗転し、フロア前方に人の波が押し寄せる。たとえ何度味わおうと、この瞬間は特別なもの。メンバーのシルエットが現れるたびに大きな歓声が起こる。清春がフロアを煽動する。人時が頭を振り乱しながらグルーヴを生み出す。1曲目の「I HATE YOUR POP STAR LIFE」の重厚で艶めかしいサウンドによって、オーディエンスは一気に熱狂の渦へと巻き込まれた。

ライブ序盤のMCで人時は「この会場で黒夢として演奏するのは1998年から1999年にかけての年越しライブ以来。それを軽く超えられるようなライブにしたい」と意気込みを語る。前半のハイライトは「Merry X’mas, I Love You」。この曲を始める前に、今夜の男性客の多さに言及して笑わせたり、サポートドラマーのYOUTH-K!!!を愛情たっぷりに紹介したりと場内をアットホームな空気で包んだ清春。彼がアコースティック・ギターと踊るように歌うこの曲はクリスマス気分をさらに盛り上げ、オーディエンスを酔わせていた。

この夜は緊張感のある演奏と和やかなMCの対比が際立っており、彼らの切り替えの妙に唸らされる場面が多かった。ステージとフロアの間で言葉が飛び交い、笑顔が溢れる光景は、観ていて実に楽しい。毎年クリスマスの時期に横浜Bay Hallに立っている清春は「今年は黒夢なので“過ぎ去ってゆく感じ”がしますね」と駆け抜けるような充実感を確かめる。「ライブって曲やると終わるんだよ」という彼の何気ない一言にも魔法がかかっているかのように感じた。そんなMCから導かれた「BARTER」は、一気に沸点に達するかのような瞬発力。ステージ上の出来事に目を見張っているうちに、「Sick」で本編は終了した。

当然、オーディエンスは誰一人立ち去ろうとせず、大きな歓声がホールに鳴り響く。ここから4度にわたって披露されたアンコール楽曲はいずれも色鮮やかで、“黒夢と過ごした2014年のクリスマス・イブ・イブ”の思い出を確かなものにした。「Glass Valley’s Oar」の伸びやかな歌声は、このツアーの中でも特に素晴らしい瞬間のひとつだった。

VOL.1『夢は鞭』から変化を遂げたセットリストもVOL.2『毒と華』の見どころだ。たとえば、「後遺症」の直後に「KINGDOM」を持ってくるという振れ幅の大きさは非常に印象深く、それぞれの曲の魅力をさらに引き出すことに成功していた。また、このロングツアーを通して初めて「Like @ Angel」で締めくくらずに「BEAMS」で幕を閉じたことも新鮮な驚きだった。お決まりのパターンに陥ることのない今の黒夢は、表現者として常に攻め続けている。

終わってみれば、全28曲、約3時間30分の濃厚なライブだった。彼らのステージはいつも瞬きしている間に過ぎ去ってしまう。この夜の公演も黒夢とオーディエンスが重ねてきた旅の最高の思い出となったことは間違いない。清春と人時が何度も微笑み合う姿。サポートのK-A-Z(G)とYOUTH-K!!!の充実の表情。彼らが今まさにかけがえのない時間を過ごしているということがよく伝わる笑顔だった。

翌24日はクリスマス・イブ。12月に入ってから、清春は自身のツイッター・アカウント上で、横浜公演の2日目は静かに演奏するかもしれないと発言。この夜に特別な趣向があることを匂わせていた。リハーサル等の事情により、開場・開演時間に変更があったものの、フロアは前夜を上回るようなクリスマス・ムードに溢れていた。

午後7時を20分ほど回った頃、思わせぶりに照明が暗くなり、SEなしで清春と人時が登場する。まずはアコースティック・セットが披露されるようだ。さりげない「メリークリスマス」の一言を合図に奏でられた1曲目は「優しい悲劇」。このまさかの始まりに観客はいきなり心を鷲掴みにされた。ここから8曲続けて演奏されたアコースティック・バージョンの楽曲は甘く鳴り響き、黒夢の音楽の奥深さを物語っていた。

この夜にふさわしい「Merry X’mas, I Love You」からバンドスタイルでの演奏に切り替えた彼らは、次第に静から動への色合いを強めていく。「ゲルニカ」で最高潮に達したメンバーが去った後、場内の至る所から感激の声が聞こえてきた。だが、これで終わらないのが、“2014年のクリスマス・イブ”の黒夢の凄まじい点だ。このロングツアーのライブ本編の幕開けを象徴するSE「ZERO」が大きく鳴り響き、オーディエンスが勢いよく前方に殺到する。ここから「Sick」に至るまでに畳み掛けられた激しいチューンの数々は、フロアを一気に灼熱の空間へと変えた。

これだけでも大満足なのだが、黒夢からのクリスマス・プレゼント攻撃は留まるところを知らない。お揃いの黒いサンタクロースのコスチュームに袖を通した清春と人時が姿を現した瞬間、驚きと歓喜の入り混じった声が場内に響いた。ここから先の展開を詳細に語ることは控えたい。ただ一つ言えるのは、黒夢と彼らを見つめるオーディエンスがこの日この場所でしか味わえない特別な時間を積み重ねて、ロングツアーを過ごしているということ。3度にわたって披露されたアンコールは、当日の来場者にとって、忘れられない喜びとなったことだろう。清春の言葉を引用しよう。「クリスマスの日にライブに来るなんて最高じゃないですか。愛してます。メリークリスマス」。
「Like @ Angel」で幕を閉じた頃には、時計は午後11時付近を指していた。この夜の趣向は清春によれば“2部構成”とのことだったが、実際には、それ以上の構成に感じられるほどの豊かな時間。黒夢のさまざまな側面に触れられる非常に贅沢な公演だった。

なお、23日の公演の中で、清春は2015年2月のツアー終盤に組まれた東京、大阪、名古屋の3公演で販売される会場限定CDについて、重要なことをほのめかしていた。この新曲は彼の言葉を借りれば、「すごく我々のこの今の状態っぽい感じ」で「お守りみたいな感じ」なのだという。「早く聴いてほしい」という彼の表情からは揺るぎない自信がうかがえた。さらにオーディエンスにとってうれしい驚きだったのは、事実上の正式な発売日となる新木場コーストから、シングル通常盤に加えて本ツアーラストにして初のパンフレットとも言える、豪華仕様盤が限定数で用意されるということ。

12月4日に郡山で始まったVOL.2『毒と華』もあっという間に後半戦に突入する。清春が最後にこんなふうに語りかけていた。「ほんとに簡単な言葉ですけど、楽しんでください。僕と人時くんも2014年から2015年にたくさんツアーをしてるという機会を楽しみに、こうして毎日を過ごしてます。皆もこれを忘れないでください。今のこの年に起きてることはこの年にしかないことです。愛してください」。清春と人時が発する言葉は非常にシンプルだからこそ、観る者の胸を打つ。彼らが奏でる最高の景色は、何度見ても輝かしい。横浜のクリスマス2夜公演の次に控える年内最後の公演は、12月30日の大阪と31日の名古屋。今の黒夢とできる限り多く出会い、永遠に忘れられない思い出を紡いでほしい。

TEXT BY:志村つくね
PHOTO BY:今井俊彦、宮脇進、青木早霞

【セットリスト】

■2014.12.23 (火) @横浜ベイホール
M1 I HATE YOUR POPSTAR LIFE
M2 CLARITY
M3 A LULL IN THE RAIN
M4 Starlet
M5 MAD FLAVOR
M6 Merry X’mas,I love you
M7 黒と影
M8 ゲルニカ
M9 アロン
M10 heavenly
~ BASS Solo ~
M11 I LIKE YOU
M12 LEAP
M13 SOMEONE
M14 WHITE LUSH MOVIE
M15 BARTER
M16 SPOON&CAFFEINE
M17 C.Y.HEAD
M18 Sick
< ENCORE 1 >
M19 HELLO,CP ISOLATION
M20 ROCK’N’ ROLL
M21 CANDY
< ENCORE 2 >
M22 Glass valley’s oar
M23 ミザリー
M24 後遺症
M25 KINGDOM
< ENCORE 3 >
M26 優しい悲劇
M27 Miss Moonlight
< ENCORE 4 >
M28 BEAMS

■2014.12.24 (水)@横浜ベイホール
M1 優しい悲劇
M2 眠れない日に見る時計
M3 くちづけ
M4 A LULL IN THE RAIN
M5 SOLITUDE
M6 Starlet
M7 LOVE ME DO
M8 FREE LOVE,FREE SEX,FREE SPEECH
M9 Merry X’mas,I love you
M10 Glass valley’s oar
~ BASS Solo ~
M11 Reverb
M12 奴隷
M13 アロン
M14 ミザリー
M15 ゲルニカ
M16 I HATE YOUR POPSTAR LIFE
M17 CLARITY
M18 PARAPHILIA
M19 CALLING
M20 SPOON&CAFFEINE
M21 C.Y.HEAD
M22 CANDY
M23 Sick
< ENCORE 1 >
M24 SUCK ME!
M25 heavenly
M26 SPRAY
< ENCORE 2 >
M27 棘
M28 For Dear
< ENCORE 3 >
M29 Like@Angel

「TOUR 2014-2015 BEFORE THE NEXT SLEEP 『毒と華』」

12月30日(火) なんばHatch
大阪ウドー音楽事務所:06-6341-4506

12月31日(水) Zepp Nagoya
ズームエンタープライズ:052-290-0909

<2015年>
1月10日(土) 柏PALOOZA
(問)HOTSTUFF PROMOTION:03-5720-9999

1月11日(日) 柏PALOOZA
(問)HOTSTUFF PROMOTION:03-5720-9999

1月16日(金) 札幌PENNY LANE 24
(問)WESS:011-614-9999

1月17日(土) 札幌PENNY LANE 24
(問)WESS:011-614-9999

1月21日(水) 水戸LIGHT HOUSE
(問)HOTSTUFF PROMOTION:03-5720-9999

1月22日(木) 水戸LIGHT HOUSE
(問)HOTSTUFF PROMOTION:03-5720-9999

1月30日(金) 川崎CLUB CITTA'
(問)HOTSTUFF PROMOTION:03-5720-9999

2月03日(火) 新木場STUDIO COAST
(問)HOTSTUFF PROMOTION:03-5720-9999

2月05日(木) なんばHatch
(問)大阪ウドー音楽事務所:06-6341-4506

2月07日(土) 岐阜club-G
(問)ズームエンタープライズ:052-290-0909

2月08日(日) 岐阜club-G
(問)ズームエンタープライズ:052-290-0909

2月09日(月) Zepp Nagoya
(問)ズームエンタープライズ:052-290-0909

<振替公演>
3月28日(土)広島CLUB QUATTRO
(問)キャンディープロモーション広島:082-249-8334

※1月・2月・広島振替公演 チケット発売中
http://eplus.jp/sys/main.jsp

  • minp!音楽ニュース(2014年12月26日)
  • 制作協力:okmusic UP's