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THE ORAL CIGARETTES、声帯ポリープ摘出手術後初ツアー完遂

1月にリリースされたニューアルバム『FIXION』を引っ提げて、全国10カ所、ツワモノばかりの10バンドと競演してきたツアーラストはロックンロールバンドのTHE BAWDIESとの一騎打ち。熱い仲間たちとSTUDIO COASTを大いに盛り上げた。このツアーは山中拓也(Vo. / Gt.)の喉のポリープ摘出手術後となった初のツアー。新曲や初のメドレーも披露した。無事にツアーを終え、集まったファンや競演した仲間たちに感謝を伝える記憶に残るライヴとなった。

開演前の会場はすでに熱気で満たされていた。今、破竹の勢いを魅せる2バンドの競演を今か今かと待ちわびるファンたち。 定刻を少々過ぎたところで暗転。ウィルソン・ピケットの「Land of 1,000 Dances」がSEで流れオーディエンスの手拍子の中、THE BAWDIESがステージに登場した。大歓声の中、ROY(Vo.Ba)の「HOT DOG召し上がれ」のコールからオープニングナンバー「HOT DOG」でライブの幕を開けた。

オーディエンスも腕を振り上げ、出だしからテンションはMAX。JIM(Gt.Cho)のトレブリーでソリッドなギターとTAXMAN(Gt.Vo)のグルーヴィーなリズムワーク、そしてMARCY(Dr.Cho)の軽快でメリハリの効いたドラミングが彩りを添える。続いてTAXMANが弾く暴れん坊将軍のテーマに乗って、ROYとJIMによる殿様と家来の小芝居を挟み「NO WAY」へ突入。フロアの盛り上がりでSTUDIO COASTが激しく揺れる。かざしたオーディエンスの腕で会場が埋め尽くされた。

「SING YOUR SONG」では熱いコール&レスポンスを繰り広げ、更にヒートアップ。「初めて見るかたもいらっしゃると思いますが、THE BAWDIESと覚えなくて結構です。ロックンロールと書いて松岡修造、いや綾小路きみまろとでも覚えておいて下さい」と自己紹介。ユニークなMCにフロアから笑い起こる。軽快でメロディアスな「LEMONADE」、「ROCK ME BABY」、アップテンポで英国的なノリが魅力の「B.P.B」と立て続けに演奏し、エバーグリーンなロックンロールテイストの楽曲で、STUDIO COASTボルテージは早くも最高潮に。

後半戦、メドレーの「YOU GOTTA DANCE」ではJIMのギターの音が出なくなってしまうトラブルも。「LEAVE YOUR TROUBLES」で間一髪復活。ライブならではのスリリングな場面もあったが、そこは百戦錬磨のTHE BAWDIES。そんなハプニングもなんのそので、逆風も追い風に変え、さらに会場をひとつにしていった。

定番曲「IT'S TOO LATE」へ突入。STUDIO COASTがTHE BAWDIESのグルーヴで満たされていく。エンディングでROYのいつまで続くのかと思わせるほどのロングトーンに大歓声が上がった。ROYは「俺が言ってるロックンロールという言葉は音楽のジャンルを指して言っているわけではございません。ロックンロールというのは感情の爆発なんです。感情が飛び出した瞬間をロックンロールというんじゃないですか。これを我々は伝えたかったんです」とロックンロールとは何かを熱く語り、ラストはロカビリー高速ナンバー「KEEP ON ROCKIN'」を披露。締めにTAXMANの「ワッショイ」の掛け声でTHE BAWDIESのライヴの幕を閉じた。

そして、THE BAWDIESの熱いロックショウをTHE ORAL CIGARETTESが引き継ぐ。会場が暗転しシリアスなSEが流れると、ブルーのライトからストロボにライティングが変化するとTHE ORAL CIGARETTESのメンバーが登場。大歓声が巻き起こった。

山中が「初っ端から“キラーチューン祭り”やっていいですか?新木場帰ってきたよ!!」とおなじみの“4本打ち"を経てオープニングナンバーは「起死回生STORY」で幕を開けた。オーディエンスに「怪我すんなよ!」と山中。オープニングからクラウドサーフも起きるほどの盛り上がりを見せた。そして、立て続けに「A-E-U-I」、「Mr. ファントム」とノンストップで突き進む。オーディエンスのコーラスに「めちゃくちゃ気持ちいいわ」とご満悦な様子を見せる山中。「廻る廻る、新木場STUDIO COASTのフロア」と告げ「STARGET」を披露。サークルピットがフロアに出来上がり、テンションはさらに上がっていく。まさに“キラーチューン祭り"というセットリストで展開していった。

あきらかにあきら(Ba. / Cho)の激しいステージング、鈴木重伸(Gt.)のスリリングなギターフレーズ、中西雅哉(Dr.)のタイトでパワフルなドラミングに会場の温度はどんどん上昇していく。「オーラルワッショイ!BAWDIESワッショイ!唇ツーマンワッショイ!」とオーディエンスとコールアンドレスポンスもし、「モンスターエフェクト」へ突入。ギターソロではフロアがヘドバンで埋め尽くされる。「32歳童顔」に入ったかと思いきや曲の途中で中断。「疲れた〜お前らが思ってるより“キラーチューン祭り”しんどいんやからな」と山中。

ここでちょっと休憩のMC。3 月2日に山中が誕生日を迎え、たくさんのメッセージをもらったことを報告。それをこの日にお祝い返しをしようと3月20日が誕生日の人をフロアから探し、その中から選ばれた1名をお祝いし「32歳童顔」をしめた。その後「もしもあなたが愛した人が自分のことを忘れてしまったら、そういうことを思って書いた曲です」と「通り過ぎた季節の空で」を披露。切ないメロディで、さっきまでとはまた違った空間を作り出す。オーディエンスも両手を伸ばしステージのメンバーに想いを届ける。

そして、MCでは山中の女性に対する腹筋の好みを切実と語る場面も。腹筋はちょっとお肉が付いていて柔らかいのが好きだと語った。逆にドラムの中西は「バッチリ8パックぐらいが」と筋肉好きをアピール。そして「楽しいだけで十分ですか?楽しいだけの時代なんてもう終わりです」と感情をぶつけたナンバー「嫌い」へ突入。めまぐるしく変化しプログレ要素もある曲で畳み掛けた。

「ほないこか」の山中のコールから「mist...」へ。所狭しと暴れまわる山中とあきら。オーディエンスの大合唱に山中が「泣きそう」と感極まる場面も。そして、「ツアーファイナルだから特別なことをしたい」と語り、新曲を初披露。「カンタンナコト」「狂乱 Hey Kids!!」で切り開いた今THE ORAL CIGARETTESらしさを更に昇華させた様なナンバーでオーディエンスを楽しませた。自分たちのフィルターを通して色んな音楽を好きになってもらいたいと語っていたように、意欲的で挑戦的な楽曲は新たなバンドの方向性を示した。

山中は「喉のポリープ摘出の手術をして初めてのツアーでした。ちゃんと無事に10カ所回って新木場STUDIO COASTに戻ってきました。本当に歌わせてくれてありがとう」とファンに感謝を述べ、沢山の仲間に助けられて、ここに立てているということを伝えたかったと語る山中。そんな沢山の仲間とともに一緒に掛け上がっていきたいと確固たる決意を語った。「今いる仲間を大切にしろ。それが今回のツアーで一番伝えたかったことです」と本編ラスト「狂乱 Hey Kids!!」を全身全霊で演奏しステージを去った。

アンコールでは訪れたファンに「息大丈夫、酸素ある?」と気遣う山中。ファン同士で体調が悪くなった人をお互いに助ける姿を見て「ありがとう」と感謝。そして、バンド初のメドレーを披露。山中が優しい眼差しでファンを見つめる姿が印象に残る。ラストは喉の不調によりライブを中断せざるを得なかった昨年7月14日のZepp Diver City Tokyoがあったから書けた曲「Everything」を演奏し、大盛況の中、ツーマンツアーの幕を閉じた。

山中の喉のポリープ手術を終え、ツアーを完遂したTHE ORAL CIGARETTESからは、新曲からも読み取れるように、新たなステージに向かおうとしている姿勢が伺えた。バンドの今後の動向に期待が高まる。4月からは唇ワンマンツアー、地元奈良では初となるホールワンマンライブも行われる。

■撮影クレジット
・THE ORAL CIGARETTES:Viola Kam (V'z Twinkle Photography)、鈴木公平
・THE BAWDIES・集合カット:鈴木公平

  • minp!音楽ニュース(2016年03月23日)
  • 制作協力:okmusic UP's