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「世界一ギターの上手い夫婦」テデスキ・トラックス・バンド ロンドンレポート

エリック・クラプトン・バンドや自ら率いるバンドなどで天才的な演奏から現世の屈指のスライド・ギタリストとの呼び声高いデレク・トラックスと、その妻でソングライター/ギタリスト、スーザン・テデスキの「世界一ギターが上手い夫婦」によるスーパーバンド、テデスキ・トラックス・バンド。
6月29日ヨーロッパ・ツアーの初日となるロンドンでライヴレポートが到着した。

“女性版オーティス・レディングとデュアン・オールマンの生まれ変わりのギタリストの競演”---まさにそう呼ばれる通りのマジックが生まれた夜。スーザンのソウルフルな声、デレクの超絶スライド、完璧なテクニックで支えるバンドのグル—ヴで、どんどん観る者を引き込んで、会場中が一つの到達点へ向かって盛り上がっていく様はまさにライヴのマジック!ライヴの醍醐味を感じる瞬間だった。

20:55分。会場が暗転。遂にステージにロンドン初お目見えとなる新生テデスキ・トラックス・バンドが登場。奥様のスーザンはノースリーブの白いワンピースに身を包み、グリーンのテレキャスターを抱えて登場。キラキラの高いハイヒールが印象的で、ロックというよりも、どちらかというとその辺に歩いている美しい奥様という感じ。旦那のデレクはいつものSGを抱えて登場。ブラウンのジャケットにTシャツにジーンズというなんのてらいもない、いつも通りの相変わらず質素な格好(なんと顎髭を蓄え、まだ32歳の若さにも関わらず風格はもう伝説的ギタリストな雰囲気に!)。バンドはデレク、スーザンのツイン・ギターに、ツイン・ドラム、ベース、キーボード、3人のホーン、バックヴォーカルと総勢11人編成の大所帯。

スーザンの「アメリカからイギリスへ招待してくれて、ありがとう。このメンバーで、初めてのロンドンで、この伝説的な会場に立てて光栄です。嬉しいわ。」というスピーチに大歓声が沸き起こり、ライヴが始まる。

最新アルバム『レヴェレイター』の楽曲を中心に、ジョー・コッカーの「Space Captain」、デレク&ドミノス「Anyday」、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの「Sing A Simple Song」といったカヴァー楽曲も披露。ジミ・ヘンドリックスの「Manic Depression」ではドラマーのオテイルが歌い、スーザンとデレクがツイン・リードを奏でる。そして「このあいだ97歳になるおじいちゃんと話したら、こう言うのよ。たまにはみんながよーく知ってる曲をやんなさいよって。だからおじいちゃんのアドバイスに従って今回この曲をやってみるわ」というスーザンのMCからスティーヴィー・ワンダーの「UPTIGHT」も披露。家族とライヴを観に来ていたスティーヴ・ウィンウッドも、曲が進むに連れてどんどん身を乗り出し、一緒にノッて手拍子をしていた。

テデスキ・トラックス・バンドは、「スーザンとデレクの夫婦+バックバンド」というだけのバンドではないことがよくわかったライヴだった。スーザンの声もデレクのギターも、もちろん最大の魅力の一つだが、それぞれの個々のメンバーがすさまじいテクニックと深い音楽への愛情と情熱を持ち、彼ら一人一人の化学反応によってバンドが更なる高みへと昇っていく。まさに60年代や70年代のいくつもの伝説を作っていったロックバンドの最良の形がここにあるような気がした。

【リリース情報】
テデスキ・トラックス・バンド『レヴェレイター|Revelator』
発売中 SICP3143  ¥2520(税込)

  • minp!音楽ニュース(2011年07月05日)
  • 制作協力:okmusic UP's